どんな看護体制がいいのか

看護体制には、①チームナーシング、②固定チームナーシング、③モジュール型継続受け持ち方式、④機能別看護、⑤パートナーシップ・ナーシング・システム（ＰＮＳ）、⑥セル型、⑦プライマリーナーシングと種類がある。これらの体制には、病棟業務の看護師が患者をケアしていくにあたって、病棟全体でどのように看護していくのかを定める方式である。

看護方式の目的

患者のケアをはじめとする業務を効率的に進めること。加えて、よりよい看護の提供を目指すことや、チームで仕事をすることを通して、新人看護師に効率よく仕事を覚えてもらうことなども大きな目的として挙げられる。

看護体制の種類

①チームナーシング

病棟に配属されている看護師をいくつかのチームにわけて、各チームで一定の人数の患者を受けもつ看護方式である。チームメンバーは、経験年数や能力、得意なことなどを考慮しながら、お互いに補完し合える構成にする。

②固定チームナーシング

チームナーシングとほぼ同じであるが、チームを半年以上固定するという特徴がある。

③モジュール型継続受け持ち方式

病棟の看護師を２つ以上のチームに分けたうえで、各チーム内の看護師を数人の「モジュール（単位）」にわけて患者のケアにあたる。チームナーシングと比べて、小規模なチームで患者を担当する。

④機能別看護

看護業務を分業化・専業化して、業務ごとに担当する看護師をきめて患者のケアにあたる。

⑤パートナーシップ・ナーシング・システム（ＰＮＳ）

業務に関してわからないことがあれば、すぐにペアを組んでいる看護師に聞けるため、業務を進めるにあたって、不安な気持ちになりにくい。

⑥セル型

看護師長以外の全看護師が、ナースステーションを拠点とすることなく、基本的に患者の近くで業務を行う。各看護師は、電子カルテを入力できるパソコンやケアに必要なものを載せてカートごと移動して、担当患者の部屋、もしくはその近くで業務を行う。

⑦プライマリーナーシング

患者の入院から退院までを1人のっ看護師が受け持つ。

どの看護体制がいいのか

病院の背景や看護師数、患者数によって向き不向きな体制があり、看護体制に正解はない。自施設の看護体制はPNSと機能別看護体制を取り入れている。PNSが定着し、パートナーと相談しながら看護ができることはとても魅力を感じている。しかし、認知症を伴う高齢者の増加によりナースコールも増え、急性期病棟ということもあり、手術や入院、処置、検査など重なると２人ペアですべてを終わらせようと思うと業務が終わらない。そのため、機能別も取り入れ、清潔ケアや検査出しはフリー番で行い、業務が回るようにしている。それぞれの施設の特徴があり、現在の体制が正しいとも限らないため、色々と試してどの体制が自施設に合うのか模索していくのがいいだろう。