手術室は手術室看護師、病棟は病棟看護師と大抵の病院は看護師は別だ。当院も今までは別であったが、2025年10月から手術室看護師は病棟看護師も兼務するようになった。この現状には、手術件数の減少、医師の確保ができない、看護師不足などがある。
今までは緊急手術に備えて、当番制で待機看護師を配置し夜間や休日に緊急手術が入るようなことがあれば、2名の待機看護師を呼び緊急手術が行える体制がとられていた。現在は手術室看護師が病棟看護師も担うこととなり負担が増してしまうことが懸念され、待機看護師を配置しないこととなった。それに伴い、緊急手術も積極的には受けない事となった。しかし、必ず緊急手術は行わないということではなく、万が一緊急手術が必要な患者があった場合、対応できる手術看護師が揃えば手術を行うこととなっている。まるで、ドラマの中の話である。ドラマの中では、病棟看護師が患者を受けもち、そのまま手術にも入り、術後も病棟で関わるという、現実ではありえない展開の話で面白く作られている。「実際はそんなことできるわけがない」「ドラマの中だからできること」と看護師の間でも話題に上がるほどだ。それが、現在は当院がそのドラマの中の話を現実としている。
私の1日のスケジュールを例にとる。午後に1件の整形外科手術の担当についている場合。
8:20 病棟へ出勤しタイムカードを打刻する。病棟の1日のスケジュールと割り振りを確認
8:30 手術室へ行きカンファレンスの参加と手術準備を行う
9:30 病棟へ戻り割り振られたチームに入り一緒に業務にあたる
12:00 昼休憩
13:00 手術前確認
13:30 手術開始
15:40 手術終了
16:00 病棟へ戻り、病棟の補完業務、内服セット、点滴セットなど
17:00 食事介助
17:45 病棟で退勤のタイムカードを打刻する
このように病棟→手術→病棟と行ったり来たりしてオールラウンドに動いている。この業務は手術室の経験者しかできないことであり、私たちの役割は大きなものであり自信となっている。しかし、頭の切り替えが必要であり、私たち手術対応看護師のストレスは大きい。新しく手術に対応できる看護師を育成するのも時間がかかるため今後の課題でもある。今後は手術件数もさらに減少することが予測されるため、現状のままの看護体制でも問題は解決できるが、長い目でみると看護師の疲弊や新たな問題も出てくる可能性が高い。今後はオールラウンドに動ける看護師育成を目指していけるといいが、目標としていることがしっかり定まっていなければ、看護師はついてこないだろう。小さな問題から解決していけるよう、現状の問題を洗い出していくことが必要である。

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